旧iPhoneの動作が遅くなる問題、中国共産党も機関紙で批判

曹 操 2017/12/26

iPhoneの古い端末について、Appleが意図的にCPUをクロックダウンし、性能を引き下げていたことが消費者の間で議論を引き起こしています。Appleは「シャットダウン対策だった」としていますが、複数の訴訟にまで発展していることを思うと、あらかじめ明らかにすべきだった事象だとも言えるでしょう。そんな中で、中国共産党の機関紙とされる人民網も、こうしたAppleの処置を厳しい口調で非難しています。

Appleを厳しく非難

人民網は26日、「評論:iPhoneの旧モデルが“クロックダウンゲート” Appleは消費者に説明すべき」というコラムを公開し、消費者のあずかり知らぬところで意図的にiPhoneの性能が引き下げられていたことを非難しました。

iPhone6/6s、iPhone SEといった旧モデルでは、バッテリーの劣化による予期せぬシャットダウンを避けるため、ソフトウェア制御で動作が遅くなるよう設定されています。Appleによれば、iPhoneの寿命を延ばすために採用した処置とのことですが、実際はiPhoneのアップグレード(買い替え)を促すためだったのではないか、という誹りがあっても不思議ではありません。

人民網は「はたして旧モデルを保護するためなのか、それとも消費者に新製品を購入させるためのものなのか、Appleは表立って再度の説明はしていない。しかし、消費者の観点に立てば、ネットユーザーが激怒するのも理解できなくはない」とiPhoneユーザーの立場を擁護。数百元(数千円)で済むバッテリーの交換よりも、最低5,000〜6,000元(約75,000〜90,000円)するiPhoneの交換を消費者に選ばせるのは「事実上、消費者の選択権を奪っている」と述べています。

体験第一なのかビジネス第一なのか

同様の指摘を行うのは、人民網だけではありません。

米ロサンゼルスやシカゴのほか、25日には新たにイスラエルでもAppleを相手取った集団訴訟が発生、「ユーザーに情報を知らせないのは、新しいiPhoneへの買い替えを促すためだ」とし、そのせいで経済的損失を被ったとして、Appleに対し5億シェケル(約162億円)の賠償金の支払いが要求されています。

人民網は「中国の消費者がAppleブランドを信用してきたのは、Appleが『体験第一』を貫いてきたからだ」と述べ、かつての「お客様は神様だ」とする姿勢はどこへ行ったのか、一体「体験第一」なのか「ビジネス第一」なのか、と厳しい口調でコラムを締めくくっています。

中国共産党の機関紙によるこのような批判が、中国市場における風当たりの強さに繋がっていくのかどうか、かつてはMicrosoftも槍玉に挙げられ散々な目に遭っただけに、Appleとしては戦々恐々でしょう。

Source:人民網
Photo:iFixit
(kihachi)

この記事を書いた人:

曹 操

あるデザイン会社を勤めています、日々はウェブデザイン関連のコーディングやグラフィックデザインの仕事しています。

関連記事